皆様、お久しぶりです。
弁護士法人心の弁護士の林です。
最近は、気温が高く寝苦しいですね。
皆様も体調にはお気を付けください。
今回は、生命保
・・・(続きはこちら) 皆様、お久しぶりです。
弁護士法人心の弁護士の林です。
最近は、気温が高く寝苦しいですね。
皆様も体調にはお気を付けください。
今回は、生命保険の受取人が、被保険者の死亡以前に死亡していた場合の生命保険の受取人について解説していきたいと思います。
まず、生命保険契約を締結した際の受取人は、基本的に「戸籍上の配偶者又は2親等以内の親族」とされていることが多いです。
このように受取人が限定されている趣旨は、生命保険が、残された親族の生活を守っていくためのものである点にあります。
では、この時に受取人が被保険者より先に死亡していた場合には、誰が受取人となるのでしょうか。
この点について、保険法46条では、「保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。」とされています。
例えば、被保険者と配偶者の間に子A、B、Cの3人がいる場合に、Aが受取人と指定されていたが、Aが先に死亡し、被保険者がその後に亡くなったという事案について考えてみます。
この時、Aに配偶者と子供がいる場合には、Aの配偶者と子供がAの法定相続人となりますので、Aの配偶者と子供が生命保険の受取人となります。
さらに、Aには配偶者しかいない場合には、Aの法定相続人はAの配偶者と被相続人の配偶者となりますので、Aの配偶者と被相続人の配偶者が受取人となるのです。
このように、生命保険金の受取人が先に死亡してしまった場合には、意図していない方に生命保険金が渡ってしまうことがあります。
では、意図していない方に生命保険金が渡らないようにするための方法は無いのでしょうか。
この点、一つの方法として、遺言書で受取人の変更を指定しておくという方法が考えられます。
まず、保険法44条1項にて「保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。」とされています。
この規定を使用し、遺言書にて「保険金受取人が被相続人の死亡以前に死亡していた場合には、遺言者を被保険者とする下記の生命保険の受取人を、○○から○○に変更する。」と定めておくことで、意図していない方に生命保険金が渡らないようにすることができます。
例えば、上記の事例では、生命保険の受取人Aが先に死亡していた場合には、その受取人をBに変更すると指定することで、意図していない方に保険金が渡らないようにすることができます。
そのため、生命保険契約を結ばれている場合には、受取人の対策として遺言書を使用することも検討しておくと良いでしょう。
但し、この方法を使用する際には、
①受取人となる人に、被相続人が死亡した際には、受取人の変更を生命保険会社に通知する必要があること(保険法44条2項)を事前に知らせておくこと
②変更先となる受取人が生命保険契約の受取人として指定できる範囲内であるかを生命保険会社に確認しておくこと
を忘れずに行ってください。
では、また次回のブログでお会いしましょう。