皆様、お久しぶりです。
弁護士の林です。
今回からは、令和5年から始まった「相続土地国庫帰属制度」についてお話をしていきたいと思います。
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・・・(続きはこちら) 皆様、お久しぶりです。
弁護士の林です。
今回からは、令和5年から始まった「相続土地国庫帰属制度」についてお話をしていきたいと思います。
1 制度趣旨
「相続土地国庫帰属制度」は、土地を相続により取得した場合に、一定の要件に該当する場合には、その所有権を国に帰属させることを認める制度になります。
この制度ができた背景としては、人口の都市部への集中を契機として、自身にとって不要な土地を相続することへの負担(固定資産税や管理費等の諸費用)が、所有者不明土地の拡大の一端を担っているという指摘を受け、それを解消するために所有者に任意に所有権を放棄することを認めたという点にあります。
2 現在までの運用状況
令和5年の運用開始から令和7年1月31日までの速報値に基づく統計を参照(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html)してみます。
⑴ 申請件数
申請件数の推移としては、現在までに「3343」件の申請が行われています。
運用開始から1年半と少しの期間に3000件以上の申請がなされていることからして、不要な土地を手放したいというニーズは今後も増えていくことが予想されます。
また土地の属性ごとの分類では、「宅地」が1188件、「田畑」が1258件「山林」が520件とされています。
⑵ 帰属件数
これに対して、実際に所有権が国に帰属した件数としては、全体で「1324」件となっており、約39%の割合で申請が認められている計算になります。
また土地の属性ごとの分類では、「宅地」が518件、「田畑」が405件、「山林」が63件とされています。
この値から、「宅地」は約43%、「田畑」が約32%、「山林」が約12%の割合で認められていることが分かります。
このことから、一番需要が高いと思われる山林の所有権帰属には、高いハードルがあることが推察されます。
3 申請前の相談の活用
現状の運用状況の評価としてはこのような状況ですが、申請前にどの程度の割合でご自身の申請が認められるかを推察することができる方法があります。
それが、法務局の相談窓口の活用です。
(https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00498.html)
法務局では、完全予約制で手放したい土地の国庫帰属に関する申請の相談を受け付ける事とされています。
この相談では、一般的な質問にとどまらず、申請を行った場合の見通しや、申請書類の不備の確認など、個別具体的な相談にも乗ることができるとされています。
そのため、実際に申請を行う前には、必ず法務局への相談を行った方が、より正確な見通しを立てられるようになるといえるでしょう。
以上です。
今回は、「相続土地国庫帰属制度」について、制度趣旨の説明と現状についてお話をしてきました。
次回は、実際に「相続土地国庫帰属制度」の申請手続きのご説明や添付書類の解説を行っていきたいと思います(内容によっては、二回に分ける可能性もあります。)。
それでは、また今度お会いしましょう。