皆様、お久しぶりです!
弁護士法人心の林です。
前回は、国庫帰属制度の利用状況等について解説してきました。
今回は、それに引き続き、国庫帰属制度の
・・・(続きはこちら) 皆様、お久しぶりです!
弁護士法人心の林です。
前回は、国庫帰属制度の利用状況等について解説してきました。
今回は、それに引き続き、国庫帰属制度の申請手続きについて解説していきたいと思います。
国庫帰属制度の大まかな流れとしては、以下の5段階が設定されています。
① 申請者
② 添付書面
③ 法務局における内部審査
④ 審査結果
⑤ 負担金の納付
以下解説していきます。
1 申請者の選定
⑴ 原則
国庫帰属制度の申請者としては、基本的には相続等によりその土地を取得した者と考えられています。
ここで、代理人が申請者になることができるのかについて問題となりますが、法定代理人(成年後見人等)であれば申請者となることができますが、任意代理人(弁護士や司法書士等の専門家)は申請者となることができないとされていることに注意が必要です。
もっとも、申請書類の作成代行を行うことまでは禁止されていないので、不安な方は経験豊富な専門家に申請書類の作成代行を依頼するのが良いでしょう。
⑵ 例外
ア 共有者がいる場合
国庫帰属制度は土地の所有権を国に移転させるという制度ですので、共有者が居る場合には、他の共有者全員を含めて申請することが必要とされています。
そのため、一人でも国庫帰属に反対をしている方が居る場合には、申請自体ができないということになります。
イ 法人が主体となること
法人は相続等によって土地を取得することは通常考えられないため、原則として国庫帰属制度の申請者となることはできないと考えられています。
もっとも、法人が共有者として登記されている場合に、他の自然人が相続等により土地を取得した場合には、法人も申請主体となることができるとされています。
このような場合には、自然人までも申請を妨げられることになってしまうという結果を避けるための措置がしかれているという事になります。
2 添付書面
添付書面については、少し複雑なので、次回に解説を行います。
3 法務局における内部審査
⑴ 管轄法務局
国庫帰属制度の管轄法務局は、各土地が所在する場所を管轄する法務局とされています。
もっとも、支局や出張所は管轄法務局となることはできず、それぞれの所在地を管轄する法務局の本局に管轄があるとされています。
例えば、岐阜の高山にある土地については、通常は岐阜地方法務局の高山支部に不動産登記の申請を行いますが、国庫帰属制度の申立ての場合には、岐阜地方法務局の本局に申立てを行う必要があるという事です。
⑵ 標準処理期間
国庫帰属制度の申請を許可するか否かについて、法務局は平均して8カ月程度で審査結果を伝えるとの運用を行っています。
これは、申請された土地の現在の状況や、国家による有効利用の可能性等を検討するために設けられている期間であり、それを審査するのに、おおよそ8か月かかるという事を示しています。
4 審査結果
⑴ 承認
法務局は、国庫帰属の申請を承認することとした場合には、承認したことを通知する必要があるとされていて、この承認の通知は負担金の納付の通知と併せて行うこととされています。
⑵ 却下
法務局は、次のいずれかの事由に該当する場合には、申請を却下することができるとされています。
この時の却下とは、申請権者ではない等の形式的要件を欠いている場合を指します。
ア 承認申請が申請の権限を有しない者の申請によるとき
イ 承認申請者が必要事項を記載した承認申請書を提出しないとき
ウ 審査手数料を納付しないとき
エ 正当な理由がないのに、法務大臣の事実の調査に応じない時
このような事項があると、そもそも審査すらできないため、必ずこの点の確認は行うようにしましょう。
⑶ 不承認
法務局は不承認事由がある場合には、申請を不承認とすることができるとされています。
(不承認事由については、次回以降に詳しく解説します。)
この不承認に対しては、行政不服審査や行政訴訟を行うことができるとされていますので、問題があると考えるときは不服を申し立てるのもありかもしれません。
⑷ 取下げ
申請自体は取り下げる事ができます。
ただこの時でも、審査手数料は帰ってこないため、注意が必要です。
5 負担金の納付
国庫帰属の申請が承認されたときは、負担金を納める必要があります。
この負担金は、基本的には一筆について20万円とされることが多いようですが、当該土地を管理するのに、草刈り等の管理が必要となる場合には、面積に応じた金額の納付が必要となるとされています。
そのため、広大な土地を国庫帰属させるには、それに対応できるだけの現金が必要になりますので、注意が必要です。
今回は、国庫帰属制度の大まかな申請手続きについて解説していきました。
次回は、添付書類及び不承認事由について解説していきたいと思います。
それでは、また次回お会いしましょう。